広報誌「葦の原」第2号を発行しました

  倶楽部の広報誌「葦の原」の第2号を発行いたしました。「葦の原」は、6月、12月の年2回発行することとしております。

  600部を印刷し、倶楽部会員、関係団体、個人の方にお配りするのをはじめ、近隣の図書館、JA支所、公民館等にも置かせてもらい、広く一般の方々にも読んでいただくこととしております。これらの場所で見かけられましたら、手に取ってご覧いただければ幸いです。

  また、以下の画像をクリックしていただければ、画面上でご覧いただくこともできます。

 

クリックすると、別ウィンドウが開きます。

内  容

特  集

「十四間川における環境再生及び水生動物の資源保全研究事業の取り組み」について

 連  載

 専門家に聞く 『簸川平野の成り立ちとヨシ原再生の意義』 (第2回)

 語り継ぎたい松江分の歴史と生活  その2

寄  稿

宍道湖の環境整備について    出雲市議会議員  伊藤 繁満

宍道湖  豊穣でデリケートな水域    ホシザキグリーン財団  越川 敏樹

松江分今昔

報  告

十四間川調査データ

十四間川左岸堤防漏水調査データ

「2012森の誕生日」に出展しました

平成24年度環境活動助成が決定

十四間川環境再生事業が報道されました

活動の記録(2012年1月~2012年6月)

 

十四間川環境再生事業報告(8) 架線作業が始まりました

  6月27日(水)、今日は朝からWEPシステムに電力を供給するための電線の架線作業が行われています。朝8時頃に作業用自動車がやってきて、準備を始めました。

  やがて、高所作業車3台も到着して、先日建てた電柱に控線を張った後、電線を張っていきます。この作業が終われば、7月10日頃から予定されている浚渫窪地へ高濃度酸素水を送るためのWEPシステムの設置準備はすべて終わったことになると思われます。

  堤防では、2~3日前から無線操縦の大型草刈機による堤防斜面の草刈りが行われており、今日は、ちょうど架線作業の向こう側の十四間川堤防で作業が行われ、見る間に土手がきれいになっていきます。これで、出水時における堤防の状況の確認等が非常にやりやすくなり、水害の備えになると思われます。

堤防上にあるのがWEPシステム(酸素発生装置)。手前の電柱から電気を供給

堤防では無線操縦の大型草刈機による除草作業中。見る間に堤防がきれいになっていく。

出雲縁結び空港をバックに進む架線作業

アサザ観察日記 (6月25日)

  6月24日のアサザの様子をお知らせします。

  葉がいっぱい出てきて場所によっては何重にも重なり合って浮かんでいます。そして、川面が風によって絶え間なく細かい波が立っているのにもかかわらず、アサザの群落のあるところは波もなく不思議なほど穏やかです。

  霞ヶ浦のアサザプロジェクトは、アサザの群落の消波効果を利用して、コンクリート護岸に波が押し寄せるのを防ぎ、アサザの下に小魚やえびなどの小さな生きものの棲みか、隠れ家を作り出し、また、泥が波によってさらわれてしまうのを防ぎ、ヨシやマコモなどの水生植物が生育する環境を創り出し、さらに湖面一面に広がる黄色の花畑によって湖面を飾ろうとするものだそうですが、アサザの繁茂した川面の様子をみるとその消波効果には納得です。

  そして、どういうわけか、葉の上に後ろ足の生えかけたおたまじゃくしが1匹だけ乗って日向ぼっこ?をしていました。そろそろ水の上に上がる練習をしているのでしょうか。それとも何かの弾みで葉の上に乗ってしまったのでしょうか。鳥などに狙われたら一発でやられてしまいそうです。

群落の外側は波立っているが内側はまったく波立っていない

 

アサザの葉の上に鎮座したおたまじゃくし

十四間川環境再生事業報告(7) 電柱敷設作業が始まりました

  6月22日(金)WEPシステムに電気を供給するための電柱敷設工事が始まりました。

 東松江分橋の袂まで来ている既設の電柱から分岐して、先日十四間川堤防上に設置されたWEPシステムの酸素供給装置、湖底の気液溶解装置まで電気を供給するためのもので、集水路沿いの田んぼの縁に5本の電柱が建てられる予定です。

  電気が供給されるようになれば、WEPシステムを使用できるようになりますが、計画では、7月10日頃から高濃度酸素水の供給試験が開始されることとなっています。

堤防上に設置されたWEPシステム。ここまで電気を供給

十四間川環境再生事業報告(6) WEPシステム、シジミ飼育器の設置が行われました

  昨日のWEPシステムの設置準備作業に引き続き、今日は8時頃からWEPシステムの十四間川への設置が行われました。併せて、シジミ飼育器の設置、毎月19日、20日に実施されている環境調査も実施され、雨の中、たくさんの関係者が船着場に集まり、十四間川の中や堤防上で作業が行われました。

  心配された風もなく、川面は穏やかでしたので、雨の中も作業は続けられましたが、台風が梅雨前線を刺激したのか10時過ぎから雨脚が強くなり、傘をさしていてもシューズからズボンまでびっしょりになり、カメラも心配になってきましたので、作業の様子を最後まで見届けることなく、撮影は撤収しました。

  午前中でほぼ設置工事は終えることができたようです。

それぞれ準備作業中(WEPシステム)

それぞれ準備作業中(シジミ飼育器への測定装置の取付け)

それぞれ準備作業中(環境調査チーム)

WEPシステム(気液溶解装置)を乗せた台船を設置場所まで曳航

WEPシステム設置場所到着

台船を設置場所に固定

堤防上ではケーブルの準備

ケーブルに目印のブイを取付け

雨脚が強くなる中、ケーブルを台船まで延ばしていく

十四間川河口部北の枡網の竹にシジミ飼育器を設置

十四間川環境再生事業報告(5) WEPシステムの設置準備作業が行われました

  6月18日、十四間川に存在する浚渫窪地に設置して、高濃度酸素水を送り込み、貧酸素状態の改善効果について検証試験を行うWEPシステムの設置準備作業が行われました。

  WEPシステムは、松江土建株式会社と独立行政法人土木研究所により共同開発された水環境を改善するための高濃度酸素水供給装置で、陸上部に置く酸素発生装置で作り出した酸素をホースで湖底に設置した気液溶解装置に送り込み、貧酸素状態の水を高濃度酸素水に変え、湖底に戻すことにより、水環境の改善を図る装置です。今回十四間川に設置するのは、水深の関係から、1時間に60㎥の高濃度酸素水を放出する能力を持った小型の装置で、約6mの浚渫窪地の底に設置して、主に夏場に発生する貧酸素状態の改善効果を検証します。

  12時過ぎに、作業のしやすい対岸にWEPシステムや台船の資材を積んだ3台の大型トラックと大型クレーン車、作業用資材等を積んだトラック3台が到着し、WEPシステムを川中央部の試験箇所まで運ぶフロート付台船の組立て作業が開始されました。曇りから小雨に変わるあいにくの空模様となりましたが、幸い風はなく、川面は穏やかで、作業はスムーズに進み、5時頃には台船の組立てと気液溶解装置、ウィンチ、発電機等の台船への設置が完了し、漁船2隻によって曳航され、松江分自治会側の船着場に係留されました。

  続いて、小雨の降りしきる中、松江分地区側の堤防に場所を移動して、酸素発生装置の設置が行われました。こちらは、30分ほどで設置が終了しました。

  明日(19日)の朝、台船を実験予定地まで曳航し、酸素発生装置と接続した後、川底(浚渫窪地)に設置し、20日には用を終えた台船が解体、搬出されることとされていますが、台風4号、5号が近付いており、その影響が心配されます。あまり荒れることなく、なんとか無事にすべての作業が終わってほしいものです。

台船の部品やWEPシステムを積んだトラックが到着

フロートの荷卸し

台船の組立て作業

装置を吊るすタワーの取付け

台船に積込む気液溶解装置

気液溶解装置の積込み

2隻の漁船で気液溶解装置を積んだ台船を曳航

松江分地区側の船着場に係留

堤防上に置く酸素発生装置

酸素発生装置設置場所への荷卸し作業

酸素発生装置設置完了

WEPシステム設置場所(中央付近(水深約4m)に設置予定)

十四間川環境再生事業報告(4) ヤマトシジミ飼育実験研究会開催

  6月12日15時から、十四間川環境再生協議会のメンバーによる「ヤマトシジミ飼育実験研究会」が飼育実験予定地である十四間川河口部堤防の上において開催されました。研究会には、約20名が出席し、シジミ養殖の研究者であり、今回の飼育実験の技術的指導を受けている相崎守弘島根大学名誉教授(自然再生センター副理事長)から実験内容の説明を受けた後、湖内飼育実験候補地、陸上飼育実験予定地を確認したり、シジミの稚貝を入れて湖内で飼育するための飼育器の試作品について、相崎先生の指導を受けたり、シジミや湖の様子に詳しい漁業者の意見を聞くなど突っ込んだ協議が行われました。この結果を踏まえて、湖内飼育実験については、準備が整い次第実験が始まる予定です。

  また、陸上飼育実験については、相崎先生から、採算に合うものとなることを念頭に、今年中は飼育池や装置の設計、餌の開発等課題の解決に取り組み、来年実際に設置し、実験を開始する予定であるとの説明がありました。

  その後、夏の貧酸素状態が問題となっている十四間川の浚渫窪地に高濃度酸素水を送り込むWEPシステムの設置場所等について説明があり、次いで、先日終了した覆砂工事場所の状況が確認され、研究会が終了しました。 

飼育実験予定地付近で相崎自然再生センター副理事長(島根大学名誉教授)の説明を聞く参加者

湖内に設置するシジミ飼育器の試作品を前に相崎副理事長や漁師の意見を聞く

湖内シジミ飼育実験候補地(十四間川河口部北、枡網の竹杭のあるところ)

シジミの陸上飼育実験予定地(携帯電話の電波中継アンテナの立つ畑)

WEPシステム(高濃度酸素水供給装置)設置場所を説明する技術者

工事の終わった覆砂場所の状況も確認

ヨシの生育状況報告(6)

  6月のヨシの生育状況をお知らせします。

  5月に大きく伸びたヨシもあったところから、今月はさらに大きくなっていることだろうと期待を込めて現地に出かけたのですが・・・・・・。残念ながら、思ったほど大きな変化は見られませんでした。河口の方に元からあるヨシは、とても大きく立派に成長してきているのにです。やはり、余所から掘り取って持ち込んだので、根がダメージを受けているのでしょうか。それとも環境が少し厳しいのでしょうか。そのあたりは、専門家である杦村先生に見ていただいて原因を教えていただかないといけないのかなと思ったりしています。

  ということで、今月のヨシの状況を写真で紹介します。  

先月よりは成長してはいるものの・・・・・

次の元から生えているヨシに比べるとずいぶん頼りない

十四間川河口から宍道湖西岸に元から生えているヨシ。ずいぶん立派になっています。

  早くこのように立派なヨシに成長してほしいものです。

  一方、芝の方ですが、こちらはどんどんと伸びてきています。が、芝というより雑草が多いような。こちらはそのうちに草刈りをしないといけなくなるような予感が。今のうちにクローバーの種でも蒔いた方がいいのではと思えてきます。

2012年6月の漏水調査の報告

調査日時

2012 年(平成 24 年)6月 10 日(日) 午前 8 時

天候

曇り

調査結果

十四間川水位  58cm(前月:35cm)

漏水量   調査地点1 2,000ml/分(前月:1,200ml/分)

       調査地点2 500ml/分(前月:200ml/分)

  調査地点3   500ml/分(前月:200ml/分) (4月:300ml/分)

  調査地点4   200ml/分(前月:100ml/分) (4月:150ml/分)

  例年6月ごろから宍道湖の水位は上昇するようですが、十四間川も今月は先月より23cmも上昇して58cmとなっています。

   このため、漏水量も、すべての調査地点で先月より大幅に増えています。

  また、集水路側の水位も水稲の植付け後の水を張る時期のため、いつもより高くなっています。このため、漏水が流れる塩ビパイプと水面の間が狭くなっており、漏水量を測る計量バケツを入れるのに大変苦労する状況でした。

   2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)なお、調査地点3、4については、4月からデータを取り始めたばかりであり、グラフにはしておりません。

[PDF]十四間川左岸堤防漏水調査データ(2011年1月~2012年6月)

  以下は、今月の調査の様子です。

水位58cm。先月より23cm上昇しています。

集水路も水位が上昇しています。先週の草刈りで漏水調査はしやすくなっています。

調査地点1。水位が上昇して計量バケツを傾けないとパイプの下に入りません。

調査地点3

十四間川環境再生事業報告(3) 覆砂事業進捗状況

  5月29日から始まったシジミなどの生育場所(浅場)を作る覆砂事業ですが、砂の運搬が終わり、現在は十四間川に降ろした砂を広げて浅場を作る作業が進められています。

  この場所は、今年度の堤防補強のための腹付工事の予定箇所でもあるため、浅場の造成は、堤防付根から約10m程度の腹付予定部分の外に行われており、重機が砂を堤防から少し沖に忙しく移しながら、水面から若干下になるように均しています。後は、波の力によって自然になだらかな傾斜のついた浅場が出来上がる計画です。

  見たところ約半分程度はすでに作業が終わっており、あと数日で造成が終わるのではないかと思われます。

出来上がった浅場(堤防から少し離れた色の変わっている部分)

残るはあと半分程度