植栽したヨシの生育状況(2)
一昨年(平成23年)11月の第1回ヨシ植栽活動及び去る3月3日(日)の第2回ヨシ植栽活動で植えたヨシの6月9日現在の生育状況をお伝えします。
一昨年に植えたヨシは、ところどころ波にさらわれたりして欠けていますが、土嚢袋の間という悪条件に耐えて生き残ったものは、どんどん大きく成長してきています。どこで紛れ込んだのかヨシだけではなく、マコモやスゲなども勢いよく一緒に生えてきています。
一方、3月に植えたヨシの方も、少しずつ大きくなり始めています。まだまだひ弱な感じを受けますが、しっかりと根付き始めているようです。夏にどれだけ成長してくれるでしょうか。楽しみです。
最後に、以前から植わっている十四間川下流出雲空港の向かい側辺りに生えているヨシです。こちらはすでに2mを超えるような高さに生い茂ってきています。中ではヨシキリが喧しく鳴いています。私たちが3月に枯れたヨシを刈り取ったところは、全体が燃えるような緑一色でとてもきれいです。
2013年6月の漏水調査の報告
調査日時
2013 年(平成 25 年)6月9日(日) 午前8 時
天候
曇り
調査結果
十四間川水位 58cm(前月:62cm)
漏水量 調査地点1 1,400ml/分(前月:1,800ml/分)
調査地点2 300ml/分(前月:300ml/分)
調査地点3 400ml/分(前月:900ml/分)
調査地点4 100ml/分(前月:300ml/分)
9日(日)午前8時から6月の漏水調査を行いました。6月に入り、蒸し暑い日が続いていましたが、この日は、曇り空で東寄りの風が吹いて、朝の湖畔は少し肌寒いくらいでした。
今月の水位の方は、前月より4cm下がって58cmでした。この値は、過去2年とほぼ同じで例年並みの水位ではないかと思われます。そして、これから夏に向かって少しずつ上昇していくのではないかと思われます。
漏水の状況は、調査地点2以外は200ml~500ml減少しました。そして、4地点とも昨年同月より少ない値となっています。
2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)
アサザ
今年も松江分地内の集水路がアサザで埋まる季節がやってきました。アサザは、島根県のレッドデータブックに絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機に瀕している種:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの)として挙げられており、県内でもこの辺りのごく限られた範囲にしか生育が確認されていない貴重な水生植物です。
4月7日に撮影した時には、まだほんの少し小さな葉が水面に顔をのぞかせているだけでしたが、昨日(6月7日)には、集水路一面を覆うまでに成長していました。それでもまだ葉が全体的に小さいので、これから夏に向かってまだまだ成長していくのではないかと思います。そして、嬉しいことに、昨年より群落の範囲が広がっているように感じられます。河川の改修や人為的な刈り取りが存続を脅かす原因とされていますが、藻刈り船などに負けないで増えていってほしいものです。
アサザには、消波効果が大きく、霞ヶ浦ではアサザが水質浄化や岸辺を波から守り、他の水生植物を増やす、魚の隠れ家、生息場所になるといった効果があるとして、アサザを育てて植える活動が行われていますが、そのとおりここの集水路でもアサザが繁茂しているところは波が立たず、とても穏やかで、小さなメダカがたくさん群れています。
十四間川堤防の草刈りを実施
刺網による魚類生息調査を実施(2)
本日(5月22日)午前7時から、昨日十四間川の浚渫窪地に仕掛けた刺網の引上げとベントス(底生生物)を調べるための川底の泥の採取が行われました。
刺網を引上げた結果は、WEPシステム(高濃度酸素水供給装置)の設置してある場所付近が30㎝のコノシロ1匹、その上流の地点が36㎝と31㎝のセイゴ2匹、計3匹でした。漁師さんによれば、西風が吹いて茶色い汚れた水が差してきたため、魚が嫌っていなくなったのと汚れが網に付着して魚に網の存在が見えるようになったため、ほとんど魚はかからなかったということのようです。捕獲された魚は、船上で体長の計測、胃の内容物を確認するための胃の摘出等が行われました。
ベントスの調査を目的とした川底の泥の採取は、6m余りの長い竿をつけたシジミ掻きのジョレンに細かい網目のネットを被せて、WEPシステム近くの水深約5mの窪地、その北側の堤防寄りの部分(水深約3m)と昨年の冬から今年3月にかけて覆砂を行った地点の3か所の泥が掻き取られました。5m地点から採取した泥は、タールのように真っ黒で硫化水素のにおいがしていましたが、それでも糸ミミズのような小さな虫が動いているのが肉眼でも確認できました。また、堤防寄りの部分の泥からは、大小さまざまなサイズのシジミやたくさんの小さな巻貝が確認できました。こちらの泥は、細かい砂がより多く含まれ、酸素が多苦あることを示す茶色い色をしていました。覆砂をした場所の方は、まだ覆砂後日が浅いためかシジミなどは確認できませんでした。
魚の少なかった原因となった汚れた水は、刺網にもべっとりとくっついており、網をたたんでいくと少し緑がかったチョコレートを溶かしたような感じでべっとりとついています。匂いをかいでみるとかすかに藻のにおいがしました。漁師さんによると、一旦網についたものは高圧洗浄機などを使わないとなかなか落ちないということです。この正体を確かめるため、サンプルを取り、分析してもらうことになりました。水質は以前に比べて改善されつつあるとの説明と違って、湖底だけでなく、相変わらず湖水の汚濁も進んでいるのではないかと心配になりました。この汚れが何であるのかぜひ確かめてほしいものです。
魚類及びベントスの調査は、この後6月初旬にかけて、もう1回実施することとされており、これによって魚類やベントスの生息状況を把握した後、WEPシステムの運転を開始し、窪地に高濃度酸素水の供給を行うこととされています。
刺網による魚類生息調査を実施
本日(5月21日)、十四間川の浚渫窪地における魚類の生息状況を調査するための刺網の設置が行われました。
これは、十四間川環境再生協議会の今年度の研究事業の一つである十四間川生物調査の最初の調査となるものです。宍道湖や十四間川では、毎年夏場になると貧酸素状態が発生しますが、協議会では貧酸素状態が最も大きくなる窪地にWEPシステムにより高濃度酸素水を供給してその改善効果を検証することとしています。
しかし、この窪地における魚類や底棲生物の生息状況が不明であるところから、WEPシステムによる実験を開始する前に、これらの生息状況を調査し、システム稼働後の状況と比較することによって、システムの稼働に伴う生物への影響(効果)の検証を行おうとするものです。
魚類の生息状況調査は、十四間川の浚渫窪地のうち、WEPシステムの設置されている付近と、対照区としてその上流のWEPシステムの影響の及ばない地点の2か所に刺網を設置して、生息状況が調査されます。
今回の調査は、WEPシステム稼働前における両区の魚類の生息状況を調べるもので、午後3時から、宍道湖漁協斐川漁業会のメンバーの協力によって、WEPシステムの付近とその200m程度上流の水深約5m~6mの窪地に、いずれも5㎝、6㎝、7.5㎝の3種類の網目の刺網が設置されました。
また、越川マネージャーによるプランクトンの採集も併せて行われました。
刺網は、明日(22日)の朝7時に上げられ、網にかかった魚の種類や大きさなどが調査されることになっています。
事前調査は、6月中旬までに2回実施される予定で、この後WEPシステムの連続運転が開始され、貧酸素状態に対する効果の検証が本格的に始まることになります。
植栽したヨシの生育状況
一昨年(平成23年)11月の第1回ヨシ植栽活動及び去る3月3日(日)に第2回ヨシ植栽活動で植えたヨシの生育状況をお伝えします。
一昨年のヨシは、土嚢袋の間という条件の悪い場所に植えつけられましたが、その中でしぶとく生き残ったヨシは、土嚢袋の下にしっかり根付いて、弱々しかった昨年と違って大きく葉を伸ばし始めています。
そして、3月に植えたヨシの方も、前回の反省を踏まえて、来待石ネットで保護されたしっかりとした浅場を作り、重機を使って大きな株を植えつけたので、どの株からも青々とした芽を伸ばし始めています。前回と違って、新芽が伸び始める春に掘り取り、移植したのでそのダメージを心配していたのですが、そうした心配は杞憂に終わったようです。
ヨシの植わった浅場を注意してみると、小さな魚が真っ黒な塊となって泳いでいます。外ではボラなどの大きな魚が水面からジャンプしていますので、大きな魚から逃れるために来待石ネットで囲まれた浅場に入り込んでいるのではないかと思われます。まだヨシが大きくなっていませんので、人が近付くと今度は浅場から深みに向かって、来待石ネットの間をさざ波を立てながら大挙して逃げ出していきます。この場所が葦原となれば、小魚、幼魚にとって大きな魚や鳥、そして人間の影から守ってくれる格好の棲家となるのではないかと思います。
また、3月に行われた腹付盛土工事個所も芝が生えてきて、過去の腹付盛土された箇所と一体となって広い草原が出現してきました。早くヨシが生えそろって、子どもからお年寄りまでみんなが憩えるような 水辺になればいいなと思います。
ヨシ植栽場所の清掃を実施
漏水調査の実施に併せて5月12日(日)ヨシの植栽場所に漂着するゴミの回収作業を行いました。これは、5月1日に開いた今年度の松江分自然環境倶楽部総会において、今後毎月漏水調査、ヨシの生育状況調査と一緒に実施していくことがきまったもので、今回がその第1回目の取り組みです。
3月に浅場を造成し、ヨシの植栽を行った場所には、二日前に降った雨により流れてきたと思われる刈り取られた畔草や枯草の切れ端などが流れ着いており、その間にペットボトルや栄養ドリンクの空き瓶、発泡スチロールの容器、お菓子などの空き袋、スリッパなどたくさんのゴミが浮かんでいました。弁当殻やペットボトルなどを詰め込んだレジ袋も何個もありました。
今月の当番の3人は、漏水調査の終わったあと、 金属製の箒や農業用フォークを使ってこれらのゴミを拾い上げて行きましたが、30分ほどの間に土嚢袋3袋に入りきらないほどのゴミが回収されました。
2013年5月の漏水調査の報告
調査日時
2013 年(平成 25 年)5月12日(日) 午前8 時
天候
晴れ
調査結果
十四間川水位 62cm(前月:40cm)
漏水量 調査地点1 1,800ml/分(前月:1,600ml/分)
調査地点2 300ml/分(前月:250ml/分)
調査地点3 900ml/分(前月:400ml/分)
調査地点4 300ml/分(前月:200ml/分)
5月の漏水調査を、定例日である第二日曜12日の朝8時から実施しました。この日は、前日より7度も高い夏日となり、風もなく朝から少し動くと汗ばむ陽気となりました。
堤防法面や下の部分は草が大きく伸びて、堤防の上からすぐに調査地点を見つけられない程です。来月2日には、市の一斉清掃作業の一環として堤防の草刈り作業を実施することとなってていますが、そのころには背丈以上に伸びて作業は重労働となりそうです。
測定結果ですが、水位の方は、前月より22cmも高い62cmを記録しました。この値は、過去2年と比べても30cm位高い数値です。前々日に久しぶりにまとまって降った雨が影響しているのではないかと思われます。
漏水の状況は、調査地点3が400mlから900mlと大幅に増加したのを除けばあまり大きな変化はありませんでした。
2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)






















































