小さな生命たち

  田植えの終わった田んぼは、夜になるとカエルの大合唱です。地元の者は慣れているから何ともないのですが、ゴールデンウィークに都会から帰省した人にとっては、なかなか眠れなくて大変だったかもしれません。

  そして、水の張られた田んぼには、カエルの卵があちこちに浮かんでいます。

カエルの卵。何百という数の小さな卵がヌルヌルした膜に守られている。

  よく見ると、田んぼにはこのほかにもいろんな小さな生き物たちが動き回っています。

タニシ

  パイプラインから給水されるので、用水機場から吸い上げられ、パイプラインを通り抜けてやってきたのでしょうか。不思議です。

  アメンボもたくさん泳いでいます。

  そして、あまり見たくないこいつの姿も。

ヒル

  人の血を吸うヒルです。昔、こいつに血を吸われたことを思い出して、見ただけでとぞっとします。今は、機械化が進んで、ほとんど人が水田に足を突っ込むこともなくなったので、ヒルにとってはさぞ住みにくい世の中になったことでしょう。そのことを思うと少し気の毒な気もしてきます。

  このほかにミジンコもたくさん泳いでいますが、残念ながら小さすぎて写真には写りません。

  このように水田には、たくさんの小さな生き物たちが帰ってきています。農薬や除草剤の使用が控えられて、彼らの住む環境がよくなってきたのだろうと思います。

花盛り

  私たちがヨシを植栽した十四間川の堤防にはただいま、タンポポに似た黄色い花(ヨーロッパ原産の帰化植物、ブタナと呼ばれる花ではないかと思います。)が咲き乱れています。

  小さな花ですが、たくさん咲くとなかなか壮観です。

  5月3日には斐川ウォークラリーが行われ、この堤防をたくさんの人が歩いて行きました。あいにくの雨模様でしたが、参加者のみなさんの疲れを多少なりとも癒したのではないでしょうか。

アサザ観察日記 (5月2日)

  アサザの様子が気になって、久しぶりに集水路に出かけてみました。

  この前見に行ったのが4月20日ですから、あれから10日あまり経っています。行ってみると、この前よりもずいぶん葉っぱも大きく成長し、楕円形の葉の長い径の方が10cmくらいにはなっていて、何枚もの葉が固まって浮いています。そして、水の中にも小さな葉があって水面を目指してどんどんと茎を伸ばしてきています。

   全体の様子は、こんな感じで結構広範囲に浮かんできていますが、これからさらに増えていって水面を覆いつくすまでになってほしいものです。

  残念ながら、ここのアサザは花が咲かない系統だということですが、できれば一輪でも花を見てみたいものです。

   そして、アサザのことをいろいろと調べていたら、茨城県の霞ヶ浦ではアサザを湖再生のシンボルとし、アサザの里親制度などでアサザを守り、育て、増やす取り組みをしていることを知りました。

  霞ヶ浦は、アサザの群落があり、夏には可憐な黄色い花が一面に咲くので有名なところらしいのですが、ここでも絶滅の危機にさらされており、再生のためのさまざまな取り組みがなされているということです。それと同時に、湖面にアサザが繁茂することによって、波が弱まり、その下が小さな生きものたちの棲みかとなって自然を呼び戻すことができるということで、アサザ基金という団体を立ち上げて、アサザを絶滅から救うプロジェクトを実施しているということです。

  その一環として、アサザの里親を募り、アサザの苗を育ててもらい、それを湖に植えることによってアサザの群落を増やしていくといったことが行われていて、そうして可憐なアサザの花畑を霞ヶ浦に復活させ、さまざまな生きものが暮らす豊かな湖、「100年後にトキの舞う霞ヶ浦・北浦」を取り戻していこうということのようです。

  私たちは、ヨシを植えることによって葦の原を復元し、宍道湖を昔のような豊かな湖に戻そうとしていますが、植える対象は異なっていても、目的、考え方はまったく一緒です。

  それに、この地域はアサザの県内唯一の生育地でもあります。宍道湖にはヨシを、そして内側の川や集水路にはアサザを増やして豊かな自然環境を取り戻せたら最高ではないかと思います。

  これからヨシとともにアサザも大切に見守り、育てていけたらと考えています。

田植えが始まりました

  1週間ほど前(4月26日)に大きなトラクタがやってきて、代掻きが始まったと思ったら・・・・・。

  もう田植えが始まりました。

  こちらも8条植えの大きな田植機ですいすいと小さな苗が植えられていきます。小さな田圃は、あっという間に植え終わって次の田んぼに移っていきます。

  そして、気がつけば、麦田は麦の穂もすっかり出揃って、ヒワ色の穂が風に揺られて銀色に光りながら波打っていきます。

  あとひと月もすれば黄金色に輝く麦秋が訪れるのでしょうか。

 

「2012森の誕生日」に出展しました

  4月29日にふるさと森林公園において開催された「2012森の誕生日」に出展しました。

  NPO法人自然再生センター、宍道湖漁業協同組合斐川漁業会等と組んでの共同出展で、私たち松江分自然環境倶楽部にとっては、初めての経験です。

  朝8時、現地に集合し、主催者から割り当てられたブースで準備を開始しました。晴天に恵まれて気温もどんどん上がって、テントの下でも汗がでてきます。

 

  そして、9時頃には私たちの展示パネルも完成です。その横では、斐川漁業会の人たちが、朝採ったばかりの特売用の大粒のシジミを袋詰め中です。

 

     9時を過ぎると入場者が少しずつ増えてきて、入り口の緑化推進委員会の緑の募金をすると苗木がもらえるコーナーでは長蛇の列ができはじめ、私たちのブース前にも立ち止まる人ができてきました。

  竹とんぼづくり、本立てづくり、松ぼっくりを使ったフクロウづくりなどの子どもたちが喜ぶ体験型のブースやフウランやシイタケのほだ木の販売などのブースに囲まれて、私たちの展示内容は、朝採れシジミの特売という強力な集客ツールはありましたが、少し硬くて苦戦したというのが実感です。

  それでも、広報誌やパンフレットを手に取って、松江分や十四間川について、私たちの取り組んでいる活動内容について熱心に質問をしてくださる方もあり、出展してよかったと感じました。

  そして、なによりうれしかったのは、昨年11月27日に行った十四間川のヨシの植栽活動に参加してくれた出東小学校の女の子たちが訪れてくれて、展示パネルを熱心に見てくれたことです。5年生のときに学習の一環として参加してくれたそうで、今年もぜひ参加したいと言ってくれました。

  そうして、いろいろ反省点はありましたが、それでもたくさんの方々に私たちの活動をお知らせすることができた満足感の中に、私たちの初の経験は、午後3時終了を迎えました。

  来年は、今年の経験を踏まえて、もっと多くの人に気軽に立ち寄っていただけるような企画を考えていきたいと思います。

環境調査が行われました

  松江分自然環境倶楽部は、NPO法人自然再生センター、公益財団法人ホシザキグリーン財団、公益財団法人しまね産業振興財団、宍道湖漁業協同組合斐川漁業会等とともに十四間川環境再生協議会を設立し、参加機関が連携、協力して、十四間川における環境再生及び水生動物の資源保全研究事業を実施することを計画していますが、新年度を迎えて徐々に計画が進み始めています。

  24日(火)、25日(水)の両日は、これらの事業を進めていくための基礎的なデータを得るための環境調査が行われました。

  事業を効果的に進めていくため及び事業の成果を確認、検証するためには、事業開始前の現状データをきちんと把握しておく必要があることから、このたび調査が行われたものです。

  調査は、斐川漁業会の船2艘で行われ、一方の船で水質の調査と水底の泥の採取が、もう一方の船で、音波探査による地形と地質の調査が行われました。

  これによって、十四間川の現在の状態が明らかになるものと思われます。私たちにもそのデータは提供いただけると思いますので、明らかになったら随時お知らせしたいと思います。

調査基地の松江分研修センター(調査に使用するたくさんの機材がここで調整され、奥のテーブルでデータの整理なども行われました。)

調査の様子(奥が地質・地形調査の船、手前が水質調査の船)

水質調査の様子

地質、地形調査の船

地質、地形調査の様子

倶楽部のパンフレットを作成しました

  4月29日にふるさと森林公園において開催される「森の誕生日2012」の森の学びブースに出展することをお伝えしましたが、これに合わせて倶楽部の活動を紹介するパンフレットを作成しました。

  これも広報誌「葦の原」と同様に素人の手作りですが、中には私たちの取り組んでいること、これから取り組んでいこうとする計画などを盛り込んでいます。

  このホームページにもPDFファイルにして掲載しましたので、私たちの活動に興味のある方はご覧いただけたら幸いです。(下の表紙イメージをクリックすると別ウィンドウが開きます。)

アサザ

  堤防の内側を走る集水路にアサザの葉が浮いてきました。

  アサザは、島根県のレッドデータブックに絶滅危惧種Ⅰ類(Ⅰ類は、絶滅の危機に瀕している種)として掲載されているもので、県内では唯一斐川平野の用水路だけに生育する貴重な野生植物だそうです。

  水に浮かんでいる葉は、睡蓮の葉のようですが、花は睡蓮とは全く違って、キュウリに似た黄色な花を咲かすようです。ただし、斐川平野のアサザは、開花しない系統だそうで、残念ながら花は見られそうにありません。

  松江分地内にこの貴重なアサザが生育していること、花が咲かないことなどは、ヨシの植栽などに指導を仰いでいる元島根大学生物資源科学部教員で島根自然保護協会会長の杦村喜則先生に教えていただきました。その際、もし花の咲くアサザが見つかったら、1系統ではなく、異なった系統のアサザも自生するということであり、大発見だと教えていただきました。

  まだ、葉を水面に出し始めたばかりで、花の咲くのは(咲くとしたらですが)まだ先ですが、ヨシの成長とともに、アサザの様子もこれから注意して観察していこうと考えています。

  そして、絶滅が危惧される原因が、「河川改修の進行と人為的な刈取り」とされていますので、藻刈船などによって刈り取られてしまわないよう大切に保護していきたいと思います。

水面に浮いている葉はまだ少ないが、水面下にはたくさんの小さな葉がこれから伸びようとしている

 

ヨシの生育状況報告(4)

  4月のヨシの生育状況調査を漏水調査に併せて15日(日)に行いました。

  気温は少し低めでしたが、まずまずの天候で、早朝の調査も次第に楽に行えるようになってきました。

  さて、気になるヨシの生育状況ですが・・・・・。

  今年は例年に比べ、寒い日が遅くまで続いたり、爆弾低気圧と呼ばれた台風のような春の嵐が吹き荒れたせいで、期待よりもいまいち成長が遅いようです。そして、先日の春の嵐にいたぶられて、せっかく伸び始めた若芽の先端がかなりダメージを受けていました。

これは、一番元気のいいヨシの芽、盛大に芽が出てきています

風と波にやられて先端が飛んでいます

小さな芽がたくさん出てきていますが、これもよく見ると先端をやられています

   そして、やっぱり今月も目に付いたのが、ごみの多さ。つい目を背けたくなる光景です。これではヨシもたまったものではありません。ポイ捨ては止めてほしいとつくづく思います。

  そして、腹付地に蒔かれた芝の状況は・・・・・。  思ったほど先月と状況は変わっていません。これも寒さの影響なのでしょうか。

   土手を河口の方に下がっていくと、浜大根の花盛りです。

  そのあたりに以前から生えているヨシの株にもたくさんの新しい芽が吹いていました。

  河口のシジミ組合が覆砂用にストックしている砂山のうち、水辺に積まれた砂山は、波と風雨によって少しずつ崩され、付近が砂浜になっていました。このように水辺に置いておくだけで、自然が砂浜を形成してくれるということが分かりますので、今後ヨシ原再生に取り組む際の参考になるのではと思いました。


   ただ、専門家に聞いたのですが、気を付けないといけないのは、浜欠けといって、砂山が波などによって下から浸食され、崖状になったところに、うっかり近づくと、重みで砂が崩れて、生き埋めになってしまう事故が起こる危険性があるとのことです。この場所も、それに近い感じになっています。

崖状になった砂山

  そのため、この砂の置き場にもしっかりと立ち入り禁止のロープが張ってありました。砂山があると子どもに限らず、つい入ってしまいたくなるのですが、このような危険がありますので、ロープの貼ってある所には絶対に近づかないようにしたいものです。

2012年4月の漏水調査の報告

調査日時

2012 年(平成 24 年)4月 15 日(日) 午前 7 時

天候

晴れ

調査結果

十四間川水位  40cm(前月:45cm)

漏水量   調査地点1 1,200ml/分(前月:2,000ml/分)

       調査地点2 200ml/分(前月: 500ml/分)

  調査地点3  300ml/分(前月:-)

  調査地点4  150ml/分(前月:-)

  今月の宍道湖の水位は先月とほとんど変わりません。正確には約5cmほど下がっています。

   漏水量は、調査地点1、2とも先月より減少し、2月と同じ値となっています。

  先月11日に設置した新しい漏水調査地点3、4の2か所での調査も今月から開始しました。こちらは、調査地点2と似たような漏水量が測定されました。来月以降も継続して調査を行い、データを積み上げていきたいと思います。

  2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、表示されます。)なお、調査地点3、4については、今月からデータを取り始めたばかりであり、載せておりません。

[PDF]十四間川左岸堤防漏水調査データ(2011年1月~2012年4月)

  以下に今月の調査の様子を紹介します。

水位:40cm

調査地点2における調査の様子(計量バケツ、記録用紙、ストップウォッチ、カメラが調査の七つ道具)

調査地点1の漏水(いつもここが一番漏水量が多い)

調査地点1(漏水箇所)

調査地点1漏水量(1,200ml)

調査地点2(少しずつですが、絶え間なく水がしたたり落ちている)

調査地点2漏水量(200ml)

調査地点3の漏水の様子

調査地点3(漏水の状況)

調査地点3漏水量(300ml)

調査地点4の漏水状況(ここが4か所の中で一番少なく、不連続でしたたり落ちている)

調査地点4漏水量(150ml)