2013年9月の漏水調査等の報告

調査日時

2013 年(平成 25 年)9月8日(日) 午前8 時

天候

曇り

調査結果

十四間川水位  83cm(前月:83cm)

漏水量   調査地点1 6,800ml/分(前月:2,700ml/分)

       調査地点2 1,800ml/分(前月:600ml/分)

  調査地点3   900ml/分(前月:900ml/分)

  調査地点4   1,000ml/分(前月:300ml/分)

  9月の漏水調査、植栽したヨシの生育状況確認、漂着ゴミの回収作業を第二日曜日の8日午前8時から行いました。前日までの雨がまだ少し残りそうなそんな感じのする曇り空の下での調査、作業となりました。

  降り続いた雨のせいもあって、今月の十四間川の水位は、87cmを記録しました。前年同月と比べて11cm高い数値です。

  漏水の状況は、前日までの雨の影響が多分にあると思われますが、先月と同じだった調査地点3の他は2~3倍に大幅に増加しました。   

  2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)

[PDF]十四間川左岸堤防漏水調査データ(2011年1月~2013年9月) 

  植栽したヨシの状況ですが、一昨年11月に植えたもの、今年3月に植えたもののどちらも順調に生育しています。一昨年植えたヨシの方は、マコモも繁殖し、ヨシに負けないくらいの大きさに育っています。今年植えたヨシは、さすがにまだ弱々しいですが、大きな株を植えつけたことから、だんだんと葦原の感じを見せ始めてきています。

  ヨシの間や腹付した場所に流れ着いたゴミの量ですが、今月は増水で流されてしまったせいなのか、普段の月より少なかったようです。

 

連日の雨で量水板の頭も隠れそうなくらいに水位が上昇

連日の雨で量水板の頭も隠れそうなくらいに水位が上昇

調査地点1での漏水調査の様子 集水路の水位も上昇

調査地点2での漏水調査の様子
集水路の水位も上昇

2011年11月に植えたヨシの状況

2011年11月に植えたヨシの状況

今年3月に植えたヨシ(手前は一昨年に植えたヨシの間に映えてきたマコモ) 立派に生えそろって葦原になる日も近い

今年3月に植えたヨシ(手前は一昨年に植えたヨシの間に映えてきたマコモ)
立派に生えそろって葦原になる日も近そう

漂着ゴミ回収の様子 今月はあまりゴミは目立たない

漂着ゴミ回収の様子
今月はあまりゴミは目立たない

シジミの陸上飼育試験続報

  大福工業(株)、(株)フクダ、松江土建(株)の地元企業三社と宍道湖漁協斐川漁業会が十四間川河口付近の松江分地区内で行っているシジミの陸上飼育試験の続報です。

  9月4日(水)、シジミの人工授精の作業が行われ、その模様を見学しました。

  台風17号の影響で夜半からの雨が止み間なく降り続く中、朝8時前には現地のシジミ飼育ハウスに、シジミの飼育を担当する大福工業の社員と作業をサポートする多数の斐川漁業会、松江土建、フクダの関係者が集まり、作業が開始されました。

  人工授精に使用するシジミは、斐川漁業会によって十四間川で掻かれたもので、宍道湖での産卵期間の終わりにさしかかっていることから、前日に松江分研修センターにおいて精子、卵子があるかどうか顕微鏡を用いて確認が行われた後、ヤマトシジミ種苗生産マニュアルに従って、10度程度で冷蔵されていたものです。

  受精作業は、まずどの程度の塩分濃度が最適なのかを調べるため、十四間川から汲んだ水を5psu(Practical Salinity Unitの略で、実用塩分単位ともいわれる。1psuは、濃度約0.1%)から11psuの4段階に調整したバットを用意し、そこにシジミを入れて、水温が放卵、放精に最適とされる28度前後に保たれました。この後、この結果をもとに人工授精に最適な塩分濃度を決定して、本格的に人工授精を行い、得られた種苗を飼育水槽に移す計画とのことです。

  産卵は、水温が適温になった後、まずミルク色をした精子の放出が始まり、次いで黄色みがかった卵子の放出が行われるとのことで、ヒーターによって水温が28度前後に保たれた後、この瞬間を見ようと試験担当者、斐川漁業会関係者らがバットを取り囲みました。早ければ30分~1時間程度で放精が始まるとされ、場合によっては数時間かかる場合もあるということであり、私も午前中いっぱい粘って見つめていましたが、残念ながら放精の瞬間を見ることは叶わず、ハウスを後にしました。

  今後、人工授精がうまく行われて、次の段階の飼育試験へと進んでいくことを願っています。

 

シジミの精子、卵子の確認作業の様子

シジミの精子、卵子の確認作業の様子

シジミの精子の顕微鏡写真

シジミの精子の顕微鏡写真

シジミの卵子の顕微鏡写真

シジミの卵子の顕微鏡写真

塩分濃度の調整作業

塩分濃度の調整作業

塩分を調整した湖水を入れたバットにシジミを入れる

塩分を調整した湖水を入れたバットにシジミを入れる

4種類の塩分濃度の異なるバットは、適温になるようヒーターで温められる

4種類の塩分濃度の異なるバットは、適温になるようヒーターで温められる

シジミの法制、放卵の開始を待つ関係者

シジミの放精、放卵の開始を待ってバットを見つめる関係者