アサザ

  今年も松江分地内の集水路がアサザで埋まる季節がやってきました。アサザは、島根県のレッドデータブックに絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機に瀕している種:現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの)として挙げられており、県内でもこの辺りのごく限られた範囲にしか生育が確認されていない貴重な水生植物です。

  4月7日に撮影した時には、まだほんの少し小さな葉が水面に顔をのぞかせているだけでしたが、昨日(6月7日)には、集水路一面を覆うまでに成長していました。それでもまだ葉が全体的に小さいので、これから夏に向かってまだまだ成長していくのではないかと思います。そして、嬉しいことに、昨年より群落の範囲が広がっているように感じられます。河川の改修や人為的な刈り取りが存続を脅かす原因とされていますが、藻刈り船などに負けないで増えていってほしいものです。

  アサザには、消波効果が大きく、霞ヶ浦ではアサザが水質浄化や岸辺を波から守り、他の水生植物を増やす、魚の隠れ家、生息場所になるといった効果があるとして、アサザを育てて植える活動が行われていますが、そのとおりここの集水路でもアサザが繁茂しているところは波が立たず、とても穏やかで、小さなメダカがたくさん群れています。

 

集水路に顔を出し始めたアサザ(4月7日)

集水路に顔を出し始めたアサザ(4月7日)

集水路一面に広がったアサザ(6月7日)

集水路一面に広がったアサザ(6月7日)

まだ葉の大きさは小さいが密集して浮かんでいる

まだ葉の大きさは小さいが密集して浮かんでいる

周囲は風で波が立っているがアサザの中はとても穏やか

周囲は風で波が立っているがアサザの中はとても穏やか

アサザの中で憩うたくさんのメダカたち

アサザの中で憩うたくさんのメダカたち