月別アーカイブ: 2013年6月
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広報誌「葦の原」第4号を発行しました
倶楽部の広報誌「葦の原」第4号を発行いたしました。「葦の原」は、2011年12月の創刊以来、年2回6月、12月に発行することとしています。
このホームページ同様、私たち松江分自然環境倶楽部の活動とその趣旨を広くお伝えすることを目的として発行しております。今号は、トピックスとして過去6か月間の主な活動を紹介するほか、連載の「専門家に聞く『簸川平野の成り立ちとヨシ原再生の意義』第4回」、「語り継ぎたい松江分の歴史と生活(その4)」、池田一島根県議会議員及び伊藤繁満出雲市議会議員の寄稿、十四間川左岸堤防漏水調査データなどを掲載しています。
倶楽部会員、関係の団体・個人の方にお配りするのをはじめ、近隣の図書館、JA支所、公民館等にも置かせてもらい、広く一般の方々にも読んでいただくこととしております。これらの場所で見かけられましたら、手に取ってご覧いただき、ご意見などいただければ幸いです。
また、以下の画像をクリックしていただければ、画面上でご覧いただくこともできます。
内 容
トピックス
第2回ヨシ植栽活動を実施
覆砂、浅場造成を実施
腹付盛土延長工事完成
第4回、第5回十四間川環境再生協議会開催
「森の誕生日2013」に出展
子どもたちによるヨシ植栽地清掃と浸水活動実施
BSフジドキュメンタリー番組で活動を放送
連載
専門家に聞く 『簸川平野の成り立ちとヨシ原再生の意義』 (第4回)
語り継ぎたい松江分の歴史と生活 その4
寄稿
これからは「地域力」 島根県議会議員 池田 一
昭和47年7月豪雨災害の教訓から 出雲市議会議員 伊藤 繁満
報告
十四間川左岸堤防漏水調査データ
活動の記録 ≪2013年1月~2013年6月≫
ヤマトシジミ飼育技術勉強会開催
6月25日(火)午前9時から、松江分研修センターにおいて、静岡県浜松市の佐鳴湖においてヤマトシジミの陸上人工繁殖を行われている辻野兼範氏(元浜松北高等学校教員、佐鳴湖シジミプロジェクト協議会副会長)を講師に迎えて、ヤマトシジミの飼育技術勉強会を開催しました。
勉強会には、辻野先生のほか、青森県でシジミ貝殻粉末のサプリメントなどを製造、販売している株式会社フジクリーン・テックの峰岸芳徳氏、株式会社ネクセンスの技術系コンサルタント鈴木文彦氏、ゼオライトに注目している非鉄金属鉱山開発の昭和KDE株式会社の水戸洋彦氏にも遠路参加いただきました。そして、地元からは、しまね産業振興財団酒井禮男顧問、斐川漁業会、松江分自然環境倶楽部、株式会社フクダ、松江土建株式会社、大福工業株式会社から25名が出席しました。
辻野先生から、約2時間にわたって、かつてたくさん生息していたシジミが絶滅してしまった佐鳴湖の水質・塩分濃度・水温等の状況や絶滅の原因、2008年から行っているシジミの湖畔での人工繁殖、湖内での繁殖実験等再生への取り組みなどについてお話しいただきました。その後、宍道湖の状況やこれを踏まえたシジミの復活の対策などについて意見交換が行われました。
しまね産業振興財団の支援を受けながら、株式会社フクダ、松江土建株式会社、大福工業株式会社が中心となって、今年度からシジミの陸上飼育試験を行うことが計画されており、辻野先生が佐鳴湖で成功されたシジミの陸上での人工授精、飼育の技術も取り入れて、宍道湖におけるシジミの再生につなげられるような成果を上げていきたいとのことです。
WEPシステム運転開始
本日(6月18日)の十四間川の水質調査の結果、水深2.5m以下のほぼ全域で無酸素状態になっていることから、高濃度酸素水供給装置(WEPシステム)の運転が開始されました。
この装置は、堤防上の酸素発生装置で発生させた酸素を十四間川中央部の浚渫窪地(水深約6m)に設置した気液溶解装置に送り、1時間に60㎥の高濃度酸素水を吐出する能力をもっています。
WEPシステムの運転によって、夏場の貧酸素状態の改善、硫化水素の発生抑制などの効果が検証されます。
この夏も例年に増して暑くなりそうです。ぜひ効果が上がることを期待したいものです。
子どもたちとヨシ植栽場所の清掃活動を行いました
6月16日(日)、朝10時から子どもたちと一緒にヨシの植栽場所とその下流部の昨年から今年3月にかけて造成した浅場一帯の清掃活動を行いました。
日差しはないものの久しぶりに降った昨日の雨の影響で非常に蒸し暑い中、松江分自然環境倶楽部会員の子ども12人と保護者、松江分自然環境倶楽部会員、斐川漁業会有志の大人26人が十四間川左岸堤防に集合し、手に手に火バサミを持ち、植栽したヨシの根元や岸辺に流れ着いた様々なゴミを拾ってごみ袋に入れました。流れる汗をぬぐいながら、1時間ほどかけて約800mの区間を清掃した結果、軽トラック1台分のゴミを回収しました。
清掃活動が終わった後、子どもたちは、砂で池状になった浅場の一角で小魚やエビ捕りをして、自然との触れ合いを楽しみました。子どもたちは、人の姿に驚いて水面から飛び上がるボラの幼魚に歓声を上げ、追いかけていました。ボラやナマズ、ハゼなどの幼魚やスジエビ、イサザエビ、テナガエビなどのエビ類をたくさん捕まえて、子どもたちは大興奮でした。
そして、斐伊川砂の覆砂によって造成した浅場を少し掻いて見たところ、1cm程度まで育ったシジミの稚貝がたくさん生息していました。覆砂がシジミの復活に効果があるのではないかということが実感できたように思います。
最後に松江分研修センターでみんな一緒に昼食を食べて活動を終了しました。
倶楽部では、今後もこのような活動を行って、子どもたちに身近な自然に親しんでもらうとともに、宍道湖を愛する気持ち、ゴミをなくし環境を汚さない心を育んでいきたいと考えています。
なお、この活動の様子は、6月29日(土)夜10時から放送のBSフジのドキュメンタリー番組「一滴の向こう側」の中で紹介されることになっています。
6月のヨシ植栽場所清掃を実施
6月9日(日)は、島根・鳥取両県知事も参加して毎年行われている中海・宍道湖周辺一斉清掃の日。斐川地域では、宍道湖西岸なぎさ公園、斐川なぎさ公園、新建川周辺の3か所で朝7時から清掃活動が行われましたが、松江分自然環境倶楽部では、この日がちょうど毎月の漏水調査、ヨシの生育状況調査、ヨシ植栽場所周辺の清掃活動の日に当たっていましたので、独自に十四間川のヨシ植栽場所周辺のゴミの収集活動を行いました。
朝8時からの漏水調査を終えた後、今月の当番3人でゴミを集め、9時半過ぎに終了しました。先月から同じ場所の清掃活動を開始していますが、1か月前にゴミを集め、きれいにしたところにまた多くの発泡スチロールや買い物袋に入れられたゴミ、プラスチック容器、空き瓶などがたくさん流れ着いていました。この状況を見て、ゴミの投げ捨ては絶対にやめてほしいものです。
毎月の活動に併せ、今月は環境学習、自然観察もかねた子どもたちによるヨシ植栽場所の清掃活動と十四間川に生息する魚介類の観察会を催すことにしています。こうした活動を通じて、子どもたちに湖の豊かさ、自然の大切さを知ってもらい、川や湖を汚さないということを学んでもらえたらと思っています。
植栽したヨシの生育状況(2)
一昨年(平成23年)11月の第1回ヨシ植栽活動及び去る3月3日(日)の第2回ヨシ植栽活動で植えたヨシの6月9日現在の生育状況をお伝えします。
一昨年に植えたヨシは、ところどころ波にさらわれたりして欠けていますが、土嚢袋の間という悪条件に耐えて生き残ったものは、どんどん大きく成長してきています。どこで紛れ込んだのかヨシだけではなく、マコモやスゲなども勢いよく一緒に生えてきています。
一方、3月に植えたヨシの方も、少しずつ大きくなり始めています。まだまだひ弱な感じを受けますが、しっかりと根付き始めているようです。夏にどれだけ成長してくれるでしょうか。楽しみです。
最後に、以前から植わっている十四間川下流出雲空港の向かい側辺りに生えているヨシです。こちらはすでに2mを超えるような高さに生い茂ってきています。中ではヨシキリが喧しく鳴いています。私たちが3月に枯れたヨシを刈り取ったところは、全体が燃えるような緑一色でとてもきれいです。
2013年6月の漏水調査の報告
調査日時
2013 年(平成 25 年)6月9日(日) 午前8 時
天候
曇り
調査結果
十四間川水位 58cm(前月:62cm)
漏水量 調査地点1 1,400ml/分(前月:1,800ml/分)
調査地点2 300ml/分(前月:300ml/分)
調査地点3 400ml/分(前月:900ml/分)
調査地点4 100ml/分(前月:300ml/分)
9日(日)午前8時から6月の漏水調査を行いました。6月に入り、蒸し暑い日が続いていましたが、この日は、曇り空で東寄りの風が吹いて、朝の湖畔は少し肌寒いくらいでした。
今月の水位の方は、前月より4cm下がって58cmでした。この値は、過去2年とほぼ同じで例年並みの水位ではないかと思われます。そして、これから夏に向かって少しずつ上昇していくのではないかと思われます。
漏水の状況は、調査地点2以外は200ml~500ml減少しました。そして、4地点とも昨年同月より少ない値となっています。
2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)