十四間川環境再生協議会の今年度の事業の一つとして、12月1日ワカサギふ化場の施設を借りてシジミの飼育試験を開始しました。
11月14日に開催した十四間川環境再生協議会のシジミ陸上飼育実験検討会では、松江分地内での陸上飼育試験は、飼育池の設計等についてさらに検討を要するため来年度から実施することとなったことから、急遽今年度は、松江市大野町にある宍道湖漁協のワカサギふ化場の水路2本(幅1.9m、長さ11m)を借りて試験を実施することとなり、準備を進めてきましたが、12月1日その作業を行い、試験を開始しました。試験の目的は、宍道湖のヤマトシジミの冬季斃死の原因を調べるとともにバクテリアを中心としたデトライタスがエサとして有効かどうかを調べようとするものです。試験の期間は、来年3月までの予定です。(デトライタス → Wikipedia)
試験は、2本の水路に、それぞれ40個のコンテナを設置し、そこに底質として、MGゼオライト(0.5~1.0㎜)、イワミライト(2㎜以上)、同(2㎜未満)、来待石(2㎜以上)、同(2㎜未満)、斐伊川砂、真砂土、廃瓦(5㎜未満)、宍道湖のヘドロ、ワカサギふ化場周辺の砂を敷き詰めたものと、低質なしの12種類に分け、各コンテナ1kg、計80kgのシジミを撒いて、コンテナごとのシジミの総重量、個体数、平均個体重量、肥満度などの変化を調べようとするものです。
また、2本の水路のうち、1本は7.3リットル/分の湖水をかけ流すだけとし、他の1本には、湖水のかけ流しに合わせてシジミの餌としてEMボカシを1日当たり400g与え、両者を比較することも行なわれます。(EMボカシ)
当日は、午後1時から、十四間川再生協議会の徳岡会長(自然再生センター理事長)、しまね産業振興財団の酒井顧問や関係企業代表等の見守るなか、協議会を構成する宍道湖漁協斐川漁業会から原会長以下役員、大福工業の試験担当者がコンテナの設置、底質の敷詰め、水張りなどの作業を行いました。宍道湖から吹き付ける強い風とともに降り出す霙のなか、作業が続けられました。今後、来年3月までの間、3日に1回の給餌、週に1回の計測等が実施されます。冬季のシジミの大量斃死について原因の究明が急がれておりますが、今回の試験で何らかの手がかりが得られることを期待してやみません。

松江市大野町にある宍道湖漁協ワカサギふ化場

水路に並べられたコンテナ

水路に並べられたコンテナ(11種類の底質が敷き詰められる)

シジミのエサ(EMボカシ)

エサ箱(この中に3日に一度1.2kgのEMボカシを入れ、湖水を掛け流す)

試験用のシジミ(80kg)各コンテナに1kgずつ撒く

宍道湖の水の取り入れ口(上の太いのは排水管、下の細い管が取水管)