魚の大量斃死…十四間川では

  今日(9月21日)の新聞各紙に、中海と宍道湖においてスズキやハゼ、フナなどが大量に死んでいるのが見つかったと報じられています。

  宍道湖の場合は、19日に西岸のなぎさ公園付近で大量の魚が浮いているのが発見され、昨日国土交通省出雲河川事務所が調査したところ、陸上からの目視で2,000匹以上が確認されたとのことです。

  大量の魚が死んだ原因はまだ調査中とのことですが、溶存酸素が非常に低くなっており、一方塩分は高い値が測定されていて、硫化水素臭もあったため、酸欠もしくは青潮の発生にが考えられるとされています。強い風によって、塩分が高く、酸素の少ない宍道湖低層の水が移動し、毒性のある硫化水素が発生したのではと新聞は報じています。

  昨日から死んだ魚の回収作業が行われており、今日も行われるとありましたので、なぎさ公園はどんな状況なのか、また、そこから2㎞程度しか離れていない十四間川の状況はどうなのか、出かけてみました。

  なぎさ公園の堤防に車を止めて外に出ると、強い魚の腐敗臭が鼻をつきます。湖面を見るとたくさんの死んだ魚が浮いていました。岸辺にもたくさんの魚が打ち寄せられていて、白くなって異臭を放っています。堤防の下の方には、昨日回収したと思われる魚の入ったごみ袋がいくつも置いてありました。

湖面には多くの死んだ魚が浮かぶ(なぎさ公園)

湖岸(なぎさ公園)に打ち上げられた魚

回収されごみ袋に入れられた魚

  新聞を読んだとおりの酷い状況に驚きながら、続いて十四間川の様子を確認に回りました。堤防上を十四間川河口部に向かって自転車を走らせながら見ていると、ときおり腹を見せて浮かんでいる魚が見えるくらいでなぎさ公園岸辺よりずっと状況はいいのかなという気がしてきました。

  そして、十四間川河口部から少し北に回り込んだ辺りで自転車を止め、岸辺に降りてみると、堤防上からはクズなどの生い茂る雑草に遮られて確認できなかった岸辺には、なぎさ公園と同じように多くの魚が打ち寄せられ、護岸の石の間に挟まって、腐臭を放っていました。

  死んだ魚の種類は、セイゴ、スズキが主のようですが、サヨリ(クルメサヨリ)、フナ、コイ、ナマズ、コノシロ(?)や名前の分からない頭のとがった魚などたくさんの種類が確認できます。スズキは、80㎝近くもある大きなものもいました。十四間川の辺りにはこれまで毎日のように釣り人がやってきて、長い竿尾を何本も立てていましたが、こういう大物がいて、狙っていたんだなと実感できました。

護岸の石の間に打ち上げられた魚(十四間川河口部)

80㎝級のスズキ(十四間川河口部)

サヨリ(十四間川河口部)

フナ(十四間川河口部)

  いったいどのあたりまで死んだ魚がいるのだろうと河口部から遡ってみました。その結果、500m位までは同じように多くの魚が打ち寄せられており、そこからだんだんと少なくなって、私たちがヨシを植栽した辺りまでくるとごく少数となり、その上の船着き場ではほとんど見ることはなくなりました。風によってそこまで押されてきたのか、あるいはそこまで貧酸素の塊が押し寄せてきたのか判断することはできませんが、十四間川は河口部を除けば状況はいいのかなと感じました。アオコの方もほとんど見ることがありませんでしたので、こちらの方も宍道湖に比べれば環境は良好ということになりそうです。

 長かった異常な暑さもやっと過ぎ去って行った感がありますので、早くアオコや藻の異常繁殖、魚の斃死などの異常な現象もなくなってほしいものです。

十四間川河口から200~300m地点。ヨシの根元にはたくさんの魚が腹を見せている。

十四間川河口部から約500m地点。9月5日にはアオコで染まっていた場所が今度は魚でいっぱいになっている。

ヨシ植栽場所。ここまで遡ると数はごく少なくなる。ナマズ(左)も浮かんでいる。

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