稲刈り

  8月も末になってきましたが、まだまだ連日暑い日が続いています

  それでも朝晩は涼しさが増し、空はだんだんと澄んで高くなり、秋らしい形をした雲が浮かぶようになってきました。まだしばらくは暑い日が続きそうですが、それでも確実に秋は近づいてきているようです。

  そして、昨日から早稲の稲刈りが始まりました。大きなトラックがコンバインを積んでやってきたかと思うと、雨が少なくて固く締まった田んぼに入り、走るようなスピードでぐんぐんと黄金に色づいた稲を刈り取っていきます。

  刈り取ったモミがコンバインにいっぱいになると、アンローダという長い筒を伸ばして、農道に待機している軽トラックの荷台に設置された大きなコンテナにモミを移していきます。移し終えるとコンバインは、すぐにまた全速力で刈り取りをはじめ、軽トラックは一目散にモミの乾燥・調製施設に向かって走り出します。流れるように作業が進んでいき、つい見とれてしまいます。

  これから、斐川平野は収穫の秋真っ盛りを迎えます。

そこはかとなく秋の気配ただよう松江分の風景

十四間川環境再生に関する講演会を開催しました

  8月19日(日)10時から、松江分研修センターにおいて、「十四間川環境再生に関する講演会」を開催いたしました。

  この講演会は、昨年8月に引き続き第2回の開催となります。

  昨年4月に松江分自然環境倶楽部を設立して以来、毎月の漏水調査やヨシの植栽活動をはじめ、十四間川の堤防と宍道湖・十四間川の環境を守るための様々な取り組みを行ってきていますが、今回の講演会では、3人の講師をお招きし、そうした私たちの活動の検証も含めて、それぞれの専門の立場からお話をいただき、今後の活動に活かしていきたいと計画したものです。

  講師としてお話しいただいたのは、地質学が専門のNPO法人自然再生センター理事長で島根大学名誉教授の徳岡隆夫先生、同じくNPO法人自然再生センター理事兼大橋川・宍道湖部会長で大橋川、中海においてヨシの植栽を実施しておられる増田広利先生、魚類の専門家で島根県立宍道湖自然館(ゴビウス)館長の越川敏樹先生です。なお、植物学が専門の島根自然保護協会会長杦村喜則先生にもヨシの生態等についてお話をいただくこととしていましたが、残念ながら当日急用が発生したとのことでお話を伺うことができませんでした。

  地元簸川選挙区選出の池田一島根県議会議員、伊藤繁満出雲市議会議員に来賓として出席いただき、松江分自然環境倶楽部会員のほか、斐川漁業会、JA斐川町、株式会社フクダからも出席があり、約50名の参加者となり、会場の松江分研修センターは満員となりました。開会に当たり、来賓の池田県議からあいさつをいただいた後、早速講演に移りました。

  講演では、最初に徳岡講師から、中海・宍道湖の成り立ち、斐伊川による簸川平野の形成の歴史、地質的な特徴、明治以降現在に至る中海・宍道湖の治水対策、干拓事業や海と森の深いつながりなどについて、お話をいただきました。次いで、増田講師から、ヨシを植栽する上での注意点やその後活着させ、繁茂させていくうえでの要点などについて、中海において杦村先生の指導の下、袋詰め来待石を波除けに利用したヨシの植栽の例をひきながら説明をしていただきました。さらに、越川講師からは、宍道湖七珍、中海十味として挙げられる両湖に棲息する代表的な魚介類とその特徴、棲息環境の違い等について説明があり、宍道湖は、川(真水)、塩分の混ざった汽水域、海水に棲む魚が恒常的に一緒に棲む非常に珍しく貴重な水域であること、そうした環境がヤマトシジミの繁殖に欠かせない環境であることが紹介されました。また、4月以降3回実施された魚類棲息状況調査に基づいて、十四間川に棲息する魚介類について紹介があり、宍道湖同様非常に多種多様な魚介類が棲息していることや、覆砂したところには多くの魚介類が観測されたことなどのお話がありました。最後に、松江分自然環境倶楽部小村事務局長から、十四間川環境再生協議会で実施している十四間川の底質、ベントス、水質調査の結果について報告がなされました。

  その後、参加者との意見交換が行われ、尾原ダムの完成が斐伊川や宍道湖に与える影響、ブラックバス、ブルーギル、朝鮮シジミなど外来種が生態系や漁獲に与える影響、ヤマトシジミの資源回復、海砂を浚渫窪地修復に用いる場合の問題等について、予定時間を超過して熱心に意見交換が行われました。

  最後に、来賓の伊藤市議からあいさつをいただき、講演会を終了しました。

  35度の外気のなか、途中で2台のエアコンのうち1台がオーバーヒートによりダウンし、外と変わらないほどの蒸し暑さにも関わらず、予定時間をオーバーする熱気あふれる講演会となりました。担当者として、申し訳なくもうれしい講演会となりました。

あいさつする池田県議

講演を聞く参加者

講演を聞く参加者

徳岡講師

増田講師

越川講師

小村事務局長(左端)による報告

意見交換

あいさつをする伊藤市議

真夏の白鳥

  ご存じの方も多いと思いますが、宍道湖では夏にも白鳥を見ることができます。とは言っても冬にやってくるコハクチョウなどとは違う種類のコブハクチョウではありますが、松江分自治会の南側に流れる十四間川でよく羽を休めています

  今年の夏の暑さにはかなり参っているのではないでしょうか。

 それにしてもいつも仲良く一緒にいるオシドリ(?)夫婦です。

 涼しい秋が早く来てくれるといいですね

2012年8月の漏水調査の報告

調査日時

2012 年(平成 24 年)8月13 日(月) 午前 8 時

天候

曇り

調査結果

十四間川水位  80cm(前月:93cm)

漏水量   調査地点1 2,800ml/分(前月:3,900ml/分)

       調査地点2 500ml/分(前月:600ml/分)

  調査地点3   500ml/分(前月:500ml/分)

  調査地点4   300ml/分(前月:700ml/分)

  長い間続いていた晴天も、やっとここにきて雨が降りました。高温と水分もなくなり固くなってしまった土にやられて息も絶え絶えだった畑の野菜も元気を取り戻したようです。

   今月の漏水調査は、そんな雨の少し降った後の13日(月)に実施しました。水位は、先月の大雨後の93㎝より低くなっていましたが、それでも80cmと高い水位を維持しています。夏季は水位が上昇するのが普通とはいえ、昨年と比べて10cm高くなっています。

  漏水量の方も、先月より大幅に落ちてはいますが、それでも宍道湖の水位の高さを反映して昨年同期より高くなっています。(調査地点1:2,800ml  昨年2,000ml、調査地点2:500ml  昨年200ml)高水位に対する注意が必要であることが分かります。

漏水調査の様子(調査地点4)
曇っていても時折射す日差しは厳しい

調査地点1の漏水量(2,800ml)

  そして、今月のヨシの状況です。ヨシが活着したところはだんだんと大きく育ってきて、高水位にも負けず頭を伸ばしています。いつしか土嚢袋より高くなって緑の葉を揺らしています。

  2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、グラフが表示されます。)

[PDF]十四間川左岸堤防漏水調査データ(2011年1月~2012年8月) 

宍道湖の朝日

  宍道湖といえば夕日がとてもきれいで有名ですが、私たちが住む松江分自治会は宍道湖の西岸に位置するため、宍道湖といえば朝日を見ることが普通です

  早起きしないと見られませんが、夕日に負けないくらいとてもきれいです。

 朝日をいっぱいに浴びて、朝からたくさんのエネルギーをもらえます

アサザ観察日記 (8月4日)

  しばらく遠ざかっていましたが、久しぶりにアサザの様子をお知らせします。 

  水面いっぱいに広がるアサザの葉の中に黄色っぽく変色しているものがたくさんあります。ここのところ全然雨が降らず、高温が続いているせいなのかなと思ってみています。また、雨が降っていないにも関わらず、集水路の水位が高く、葉が水面の下になることもあるためか、泥水に汚れたような葉もたくさんあります。その上、きれいな楕円形だった葉が何かに食われて穴だらけになって、穴の周りは茶色になってしまって、あんなにきれいだったのがすっかり汚くなってしまっています。

黄色く変色した葉、食われて穴の開いた葉、泥水をかぶって汚れた葉で汚くなってしまったアサザの群落

  近寄ってよく見てみると、葉っぱのあちらこちらに小さなタニシが乗っています。タニシが何を食べて生きているのか分かりませんでしたが、なんだかこのタニシが葉っぱを食べているような気がして、家に帰ってネットで検索してみました。そうしたら、どうやらタニシは水草の葉っぱなどを食すようで、アサザの葉も好物だという記載もありました。そういうわけで、どうやらアサザの葉に穴をあけているのはこの小さなタニシたちではないかと思います。

  この辺りの集水路は、アサザの他には少しばかりの菱や藻があるだけですが、他の集水路には大量の藻が繁殖して、南の方から順に藻刈船が藻を刈って歩いているようです。もう少しするとこの辺りにもやってくることになると思われますが、この程度のアサザでは大きく排水を妨げることもないと思われますので、できれば刈らずにそっとしておいてほしいなと願っています。

アサザの葉の上のタニシ