6月18日、十四間川に存在する浚渫窪地に設置して、高濃度酸素水を送り込み、貧酸素状態の改善効果について検証試験を行うWEPシステムの設置準備作業が行われました。
WEPシステムは、松江土建株式会社と独立行政法人土木研究所により共同開発された水環境を改善するための高濃度酸素水供給装置で、陸上部に置く酸素発生装置で作り出した酸素をホースで湖底に設置した気液溶解装置に送り込み、貧酸素状態の水を高濃度酸素水に変え、湖底に戻すことにより、水環境の改善を図る装置です。今回十四間川に設置するのは、水深の関係から、1時間に60㎥の高濃度酸素水を放出する能力を持った小型の装置で、約6mの浚渫窪地の底に設置して、主に夏場に発生する貧酸素状態の改善効果を検証します。
12時過ぎに、作業のしやすい対岸にWEPシステムや台船の資材を積んだ3台の大型トラックと大型クレーン車、作業用資材等を積んだトラック3台が到着し、WEPシステムを川中央部の試験箇所まで運ぶフロート付台船の組立て作業が開始されました。曇りから小雨に変わるあいにくの空模様となりましたが、幸い風はなく、川面は穏やかで、作業はスムーズに進み、5時頃には台船の組立てと気液溶解装置、ウィンチ、発電機等の台船への設置が完了し、漁船2隻によって曳航され、松江分自治会側の船着場に係留されました。
続いて、小雨の降りしきる中、松江分地区側の堤防に場所を移動して、酸素発生装置の設置が行われました。こちらは、30分ほどで設置が終了しました。
明日(19日)の朝、台船を実験予定地まで曳航し、酸素発生装置と接続した後、川底(浚渫窪地)に設置し、20日には用を終えた台船が解体、搬出されることとされていますが、台風4号、5号が近付いており、その影響が心配されます。あまり荒れることなく、なんとか無事にすべての作業が終わってほしいものです。

台船の部品やWEPシステムを積んだトラックが到着

フロートの荷卸し

台船の組立て作業

装置を吊るすタワーの取付け

台船に積込む気液溶解装置

気液溶解装置の積込み

2隻の漁船で気液溶解装置を積んだ台船を曳航

松江分地区側の船着場に係留

堤防上に置く酸素発生装置

酸素発生装置設置場所への荷卸し作業

酸素発生装置設置完了

WEPシステム設置場所(中央付近(水深約4m)に設置予定)