アサザの様子が気になって、久しぶりに集水路に出かけてみました。
この前見に行ったのが4月20日ですから、あれから10日あまり経っています。行ってみると、この前よりもずいぶん葉っぱも大きく成長し、楕円形の葉の長い径の方が10cmくらいにはなっていて、何枚もの葉が固まって浮いています。そして、水の中にも小さな葉があって水面を目指してどんどんと茎を伸ばしてきています。
全体の様子は、こんな感じで結構広範囲に浮かんできていますが、これからさらに増えていって水面を覆いつくすまでになってほしいものです。
残念ながら、ここのアサザは花が咲かない系統だということですが、できれば一輪でも花を見てみたいものです。
そして、アサザのことをいろいろと調べていたら、茨城県の霞ヶ浦ではアサザを湖再生のシンボルとし、アサザの里親制度などでアサザを守り、育て、増やす取り組みをしていることを知りました。
霞ヶ浦は、アサザの群落があり、夏には可憐な黄色い花が一面に咲くので有名なところらしいのですが、ここでも絶滅の危機にさらされており、再生のためのさまざまな取り組みがなされているということです。それと同時に、湖面にアサザが繁茂することによって、波が弱まり、その下が小さな生きものたちの棲みかとなって自然を呼び戻すことができるということで、アサザ基金という団体を立ち上げて、アサザを絶滅から救うプロジェクトを実施しているということです。
その一環として、アサザの里親を募り、アサザの苗を育ててもらい、それを湖に植えることによってアサザの群落を増やしていくといったことが行われていて、そうして可憐なアサザの花畑を霞ヶ浦に復活させ、さまざまな生きものが暮らす豊かな湖、「100年後にトキの舞う霞ヶ浦・北浦」を取り戻していこうということのようです。
私たちは、ヨシを植えることによって葦の原を復元し、宍道湖を昔のような豊かな湖に戻そうとしていますが、植える対象は異なっていても、目的、考え方はまったく一緒です。
それに、この地域はアサザの県内唯一の生育地でもあります。宍道湖にはヨシを、そして内側の川や集水路にはアサザを増やして豊かな自然環境を取り戻せたら最高ではないかと思います。
これからヨシとともにアサザも大切に見守り、育てていけたらと考えています。
