「2012森の誕生日」に出展しました

  4月29日にふるさと森林公園において開催された「2012森の誕生日」に出展しました。

  NPO法人自然再生センター、宍道湖漁業協同組合斐川漁業会等と組んでの共同出展で、私たち松江分自然環境倶楽部にとっては、初めての経験です。

  朝8時、現地に集合し、主催者から割り当てられたブースで準備を開始しました。晴天に恵まれて気温もどんどん上がって、テントの下でも汗がでてきます。

 

  そして、9時頃には私たちの展示パネルも完成です。その横では、斐川漁業会の人たちが、朝採ったばかりの特売用の大粒のシジミを袋詰め中です。

 

     9時を過ぎると入場者が少しずつ増えてきて、入り口の緑化推進委員会の緑の募金をすると苗木がもらえるコーナーでは長蛇の列ができはじめ、私たちのブース前にも立ち止まる人ができてきました。

  竹とんぼづくり、本立てづくり、松ぼっくりを使ったフクロウづくりなどの子どもたちが喜ぶ体験型のブースやフウランやシイタケのほだ木の販売などのブースに囲まれて、私たちの展示内容は、朝採れシジミの特売という強力な集客ツールはありましたが、少し硬くて苦戦したというのが実感です。

  それでも、広報誌やパンフレットを手に取って、松江分や十四間川について、私たちの取り組んでいる活動内容について熱心に質問をしてくださる方もあり、出展してよかったと感じました。

  そして、なによりうれしかったのは、昨年11月27日に行った十四間川のヨシの植栽活動に参加してくれた出東小学校の女の子たちが訪れてくれて、展示パネルを熱心に見てくれたことです。5年生のときに学習の一環として参加してくれたそうで、今年もぜひ参加したいと言ってくれました。

  そうして、いろいろ反省点はありましたが、それでもたくさんの方々に私たちの活動をお知らせすることができた満足感の中に、私たちの初の経験は、午後3時終了を迎えました。

  来年は、今年の経験を踏まえて、もっと多くの人に気軽に立ち寄っていただけるような企画を考えていきたいと思います。

環境調査が行われました

  松江分自然環境倶楽部は、NPO法人自然再生センター、公益財団法人ホシザキグリーン財団、公益財団法人しまね産業振興財団、宍道湖漁業協同組合斐川漁業会等とともに十四間川環境再生協議会を設立し、参加機関が連携、協力して、十四間川における環境再生及び水生動物の資源保全研究事業を実施することを計画していますが、新年度を迎えて徐々に計画が進み始めています。

  24日(火)、25日(水)の両日は、これらの事業を進めていくための基礎的なデータを得るための環境調査が行われました。

  事業を効果的に進めていくため及び事業の成果を確認、検証するためには、事業開始前の現状データをきちんと把握しておく必要があることから、このたび調査が行われたものです。

  調査は、斐川漁業会の船2艘で行われ、一方の船で水質の調査と水底の泥の採取が、もう一方の船で、音波探査による地形と地質の調査が行われました。

  これによって、十四間川の現在の状態が明らかになるものと思われます。私たちにもそのデータは提供いただけると思いますので、明らかになったら随時お知らせしたいと思います。

調査基地の松江分研修センター(調査に使用するたくさんの機材がここで調整され、奥のテーブルでデータの整理なども行われました。)

調査の様子(奥が地質・地形調査の船、手前が水質調査の船)

水質調査の様子

地質、地形調査の船

地質、地形調査の様子

倶楽部のパンフレットを作成しました

  4月29日にふるさと森林公園において開催される「森の誕生日2012」の森の学びブースに出展することをお伝えしましたが、これに合わせて倶楽部の活動を紹介するパンフレットを作成しました。

  これも広報誌「葦の原」と同様に素人の手作りですが、中には私たちの取り組んでいること、これから取り組んでいこうとする計画などを盛り込んでいます。

  このホームページにもPDFファイルにして掲載しましたので、私たちの活動に興味のある方はご覧いただけたら幸いです。(下の表紙イメージをクリックすると別ウィンドウが開きます。)

アサザ

  堤防の内側を走る集水路にアサザの葉が浮いてきました。

  アサザは、島根県のレッドデータブックに絶滅危惧種Ⅰ類(Ⅰ類は、絶滅の危機に瀕している種)として掲載されているもので、県内では唯一斐川平野の用水路だけに生育する貴重な野生植物だそうです。

  水に浮かんでいる葉は、睡蓮の葉のようですが、花は睡蓮とは全く違って、キュウリに似た黄色な花を咲かすようです。ただし、斐川平野のアサザは、開花しない系統だそうで、残念ながら花は見られそうにありません。

  松江分地内にこの貴重なアサザが生育していること、花が咲かないことなどは、ヨシの植栽などに指導を仰いでいる元島根大学生物資源科学部教員で島根自然保護協会会長の杦村喜則先生に教えていただきました。その際、もし花の咲くアサザが見つかったら、1系統ではなく、異なった系統のアサザも自生するということであり、大発見だと教えていただきました。

  まだ、葉を水面に出し始めたばかりで、花の咲くのは(咲くとしたらですが)まだ先ですが、ヨシの成長とともに、アサザの様子もこれから注意して観察していこうと考えています。

  そして、絶滅が危惧される原因が、「河川改修の進行と人為的な刈取り」とされていますので、藻刈船などによって刈り取られてしまわないよう大切に保護していきたいと思います。

水面に浮いている葉はまだ少ないが、水面下にはたくさんの小さな葉がこれから伸びようとしている

 

ヨシの生育状況報告(4)

  4月のヨシの生育状況調査を漏水調査に併せて15日(日)に行いました。

  気温は少し低めでしたが、まずまずの天候で、早朝の調査も次第に楽に行えるようになってきました。

  さて、気になるヨシの生育状況ですが・・・・・。

  今年は例年に比べ、寒い日が遅くまで続いたり、爆弾低気圧と呼ばれた台風のような春の嵐が吹き荒れたせいで、期待よりもいまいち成長が遅いようです。そして、先日の春の嵐にいたぶられて、せっかく伸び始めた若芽の先端がかなりダメージを受けていました。

これは、一番元気のいいヨシの芽、盛大に芽が出てきています

風と波にやられて先端が飛んでいます

小さな芽がたくさん出てきていますが、これもよく見ると先端をやられています

   そして、やっぱり今月も目に付いたのが、ごみの多さ。つい目を背けたくなる光景です。これではヨシもたまったものではありません。ポイ捨ては止めてほしいとつくづく思います。

  そして、腹付地に蒔かれた芝の状況は・・・・・。  思ったほど先月と状況は変わっていません。これも寒さの影響なのでしょうか。

   土手を河口の方に下がっていくと、浜大根の花盛りです。

  そのあたりに以前から生えているヨシの株にもたくさんの新しい芽が吹いていました。

  河口のシジミ組合が覆砂用にストックしている砂山のうち、水辺に積まれた砂山は、波と風雨によって少しずつ崩され、付近が砂浜になっていました。このように水辺に置いておくだけで、自然が砂浜を形成してくれるということが分かりますので、今後ヨシ原再生に取り組む際の参考になるのではと思いました。


   ただ、専門家に聞いたのですが、気を付けないといけないのは、浜欠けといって、砂山が波などによって下から浸食され、崖状になったところに、うっかり近づくと、重みで砂が崩れて、生き埋めになってしまう事故が起こる危険性があるとのことです。この場所も、それに近い感じになっています。

崖状になった砂山

  そのため、この砂の置き場にもしっかりと立ち入り禁止のロープが張ってありました。砂山があると子どもに限らず、つい入ってしまいたくなるのですが、このような危険がありますので、ロープの貼ってある所には絶対に近づかないようにしたいものです。

2012年4月の漏水調査の報告

調査日時

2012 年(平成 24 年)4月 15 日(日) 午前 7 時

天候

晴れ

調査結果

十四間川水位  40cm(前月:45cm)

漏水量   調査地点1 1,200ml/分(前月:2,000ml/分)

       調査地点2 200ml/分(前月: 500ml/分)

  調査地点3  300ml/分(前月:-)

  調査地点4  150ml/分(前月:-)

  今月の宍道湖の水位は先月とほとんど変わりません。正確には約5cmほど下がっています。

   漏水量は、調査地点1、2とも先月より減少し、2月と同じ値となっています。

  先月11日に設置した新しい漏水調査地点3、4の2か所での調査も今月から開始しました。こちらは、調査地点2と似たような漏水量が測定されました。来月以降も継続して調査を行い、データを積み上げていきたいと思います。

  2011年1月以降の漏水調査データは、以下に掲載していますので、併せてご覧ください。(クリックすると別にウィンドウが開き、表示されます。)なお、調査地点3、4については、今月からデータを取り始めたばかりであり、載せておりません。

[PDF]十四間川左岸堤防漏水調査データ(2011年1月~2012年4月)

  以下に今月の調査の様子を紹介します。

水位:40cm

調査地点2における調査の様子(計量バケツ、記録用紙、ストップウォッチ、カメラが調査の七つ道具)

調査地点1の漏水(いつもここが一番漏水量が多い)

調査地点1(漏水箇所)

調査地点1漏水量(1,200ml)

調査地点2(少しずつですが、絶え間なく水がしたたり落ちている)

調査地点2漏水量(200ml)

調査地点3の漏水の様子

調査地点3(漏水の状況)

調査地点3漏水量(300ml)

調査地点4の漏水状況(ここが4か所の中で一番少なく、不連続でしたたり落ちている)

調査地点4漏水量(150ml)

「2012森の誕生日」への参加

  4月29日(みどりの日)、宍道ふるさと森林公園において、森をテーマにした木工体験、自然観察会、アウトドア体験、ミニライブ、フリーマーケットなどのイベント「2012森の誕生日」が開催されます。

  私たちの松江分自然環境倶楽部もNPO法人自然再生センターと一緒に展示ブースをもらって、活動のPRを行うことになりました。

  「森は海の恋人」というキャッチフレーズで牡蠣を養殖する漁師さんが植林に取り組んでいるというテレビ番組を見たことがありますが、自然豊かな広葉樹林は、川や湖や海を豊かにするそうです。

  森の恵みを受ける水辺に暮らし、ヨシ原の再生等を通じた宍道湖の環境の保全・復元活動に取り組んでいることや活動場所である十四間川が位置的にちょうどふるさと森林公園から見下ろす位置にあることなどから、このたび自然再生センターの徳岡先生から一緒にブースを借りて、川や湖の活動のPRをしませんかと声をかけていただき、倶楽部で検討した結果、一緒に参加することとしました。共同のテーマは、「五右衛門川のヨシとシジミの復活、中海・宍道湖の自然再生」です。(注:十四間川は、五右衛門川河口部の通称です。)

  これから展示内容等を検討していく段階ですが、当日イベントに参加された方は、ぜひ私たちのテント(展示ブース)にも足を運んでいただけるとうれしく思います。

斐伊川、宍道湖西岸堤防の点検

  今日の山陰中央新報に、出水期を控えて国交省出雲河川事務所が斐伊川と斐伊川河口付近の宍道湖西岸堤防約70kmにわたって一斉点検を行ったことが報じられていました。

  その結果、約260か所の浸食や破損がみつかり、ヌートリアによってあけられたとみられる直径30cm、深さ60cmの穴など3か所を緊急に補修することとなったそうです。

  私たちの住む十四間川堤防も宍道湖西岸堤防に含まれますが、斐伊川河口からは少し離れており、また、管理が県に委託されていますので、多分今回の点検対象外なのだろうと思います。

  ここでは、一昨年の私たちの調査により、26か所の漏水箇所が見つかり、県等に補修工事をお願いするとともに、毎月自主的に漏水量の調査を実施してきています。

  そうした関係もあって、一昨年、昨年と堤防補強のための腹付工事も実施していただきました。今年度も引き続いて補修工事を実施していただくよう今日も出雲市の方にお願いに出かけてきたところです。

  昭和47年の大水害からすでに40年が経過しようとしており、当時の水害を経験した人もだんだんと少なくなり、また悲惨な体験の記憶も薄らいできているように思われますが、最近はゲリラ的な集中豪雨が数多く発生しており、今日の記事や私たちの住む十四間川堤防の状況を考えれば、ひとたびそういうような豪雨に襲われれば、今の堤防は、背筋が寒くなるような現状にあるのではないかと思われて仕方がありません。

  財政赤字の中、公共工事にかけることのできる予算も限られていることとは思いますが、命を守る堤防です。早く安心して暮らせるよう対策が取られることを願わずにはいられません。

ツバメ来る

  ツバメがやってきました。今年初めて見るツバメです。

  巣をつくる場所を物色しているようで、ジュビジュビジュビというような声でやかましく鳴きながら、電線に止まって家を観察したり、車庫の中を飛び回ったりしています。

  まだ伴侶がいないのか、それとも手分けをして場所を探しているのか、一羽だけが飛び回っています。

  ツバメのようにわが倶楽部も早く新年度の活動計画を決めて、動き始めないといけないのですが、県、市への陳情や関係団体との調整等で今少し時間を要する状況です。早くこのページを通じてお知らせできるようになればと思っています。

今日の十四間

  先日(4月3日)は、台風のようなものすごい風が吹きました。松江では、風速35メートル余りを記録したようです。松江分地内は幸いとくに被害はなかったようですが、ほかでは瓦が飛ばされたり、ビニールハウスのビニールが吹き飛ばされたりといった被害を蒙ったところがあったようです。

  その後も風の強い日があったり、寒い日があったりでしばらく足が遠のいていましたが、今日久しぶりに十四間川に出てみました。

  水位が下がって、いつも水に隠れている22年度に腹付したところが浜のようになって歩けるようになっていました。(写真手前の部分)

  そして、これもいつもは頭が少ししか出ていない波除けの杭も今日はこれまでみたこともないくらいに水の上に出ていました。

  漁師さんに聞いてみると、先日の猛烈な風を吹かせた低気圧のせいで日本海の水位が下がって宍道湖の水位も下がったのではないかということでした。こんなに宍道湖の水位が下がったのは、近年では珍しいということで、私もはじめての光景でした。

  そして、気が付くと土手にはいつの間にか浜大根が大きく伸びて可憐な花が風にそよいでいました。

  土手に立って、松江分地内を見はるかすと、田んぼは麦も大きく育って深い緑に染まり、コメ作りのための耕耘も始っています。活力みなぎる春の到来です。